![]() 作:せい・けん |
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地球物語(ちきゅうものがたり)K9999星 第1話~第10話 | |||||||||||||||||||||||||||
第1話 始まり | |||||||||||||||||||||||||||
![]() コン「君は、だあれ?「ここは、どこ?君は、何を、しているの?何も音が、聞こえないね。」 子供「うるさいなぁ、ちょっと黙っていてくれない。僕は、今、いそがしいんだ。」 王様に出す手紙の文章を考えています。 王様の使者が、ここのところ何回もきて、いろいろと聞いてきています。 コン「君はだぁれ?」 子供「僕はこの星を守る、守護聖だよ。」 コン 「守護聖?なんだいそれ?」 子供 「この星、K9,999星の管理人さ。僕は人類でないから、管理人でなく管理聖になるね。僕は、この星の王子だよ。」 コン 「ヘ~、えらいんだなぁ!じゃぁ、部下は何人ぐらいいるの?」 王子 「部下だって?部下なんていないよ。」 コン 「一人も?」 王子 「誰も。」 コン 「一人ぽっちなの??」 王子「そうだよ。」 コン 「・・・・・・・」 コン「さびしく ないの?」 王子 「いそがしすぎて、そんなの感じてられないよ。」 コン 「何でそんなにいそがしいの?」 王子 「最近、K9999星が変なんだ。」 コン 「何が変なのよ。」 王子 「そういえばコンさん、あなたは人類?」 コン「わたし、人間です。」 王子「人間は、人類で、しょう。」 コン 「K9999星って、どこの星?」 王子はまじまじとコンさんを見つめ、「フゥ~」とため息をついた。 王子 「それはね、あなたがた人類が住む、地球さ。」 |
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第2話 王子 | |||||||||||||||||||||||||||
![]() コン「地球だって?」 王子 「K9999星の人類は、地球と呼ぶね。いろんな種から、苦情がたくさん きていて、困っているんだ。」 コン 「いろんな種って何よ。」 王子 「例えば、生物番号 MK 288819 番。人類用語でいえば、南極に 住むペンギン」 王子様は、おもむろに右手を少しあげると、大きい枠のある画面があらわれました。 王子 「この画面を、見てごらん」 そこには、南極のペンギンの一団が写っており、その中の長老が、おしりをふりふり、現状を訴えています。 王子 「南極の氷がとけ、子育てが出来なくなっている。何とかして下さい。このままではいずれ、我々の種は滅んでしまう。・・・と、抗議してきている。」 王子 「生物番号 SS 4455789 番 、人類用語でいえば海にすむマグロ。海水温があがり、えさが少なく、また、泳ぎにくくなっている・・・。まだまだ、たくさんあるよ。 コン 「そんなに、苦情がきているの?」 王子 「生物番号 AA6657341番、アフリカにすむシマウマからも、暑くなりすぎて、草が枯れはじめている」 「生物番号KO 1167581番、昆虫のセミからも。」 王子 「数えればきりもない。その他、たくさんたくさん」 コンさんは、おそるおそる、王子に聞いてみた。 コン 「何が、その原因ですか?」 王子 「分かって、いるでしょう!」 |
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第3話 王子 | |||||||||||||||||||||||||||
![]() コン 「やはり、そうか!」 王子 「人類は、どうしてわからないのだろう、自分の住む星なのに。星におおきな変化が起きている事を!」 王子は、コンさんに話を続ける。王様からも、使者がたびたび来て、 「K9999星は、どうなっているのか?報告書を、早急に、提出しなさい。」と、いってきています。 コンさん 「王様って?」 王子 「王様さ。」 王子 「この、宇宙全体をおさめる、王様さ」 コン 「宇宙全体!ウワァ、すごいなぁ。どこに、いるの?」 |
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第4話 王子 | |||||||||||||||||||||||||||
![]() コン 「ウワァ、すごいな。500億光年!ずいぶん,遠い だろうね。」 王子 「機会があれば、また話をするよ。」 コン 「王様はどんなことをいってきているの?」 王子 「人類はすごく横暴だ、昔から横暴だけど、とくに、K9999星 時間で、ここ100年間がひどい。何とか、しろ!」 コン 「王様は、おこっているの?」 王子 「そうだよ、おこっているよ!」 コン 「王様の使者は、どんな事を、いっているの?」 王子 「人類との、この星の、賃貸契約書を、見せろって。」 コン 「ヘぇ~ 賃貸契約書なんかあるの?」 王子 「それがないんだ。」 コン 「どうしてないの?」 王子 「人類は、この星に突然発生し、未成熟だったので。契約するチャンスを、うしなってしまった。困っている。」 コン 「他の種は、この星との、賃貸契約をしているの?」 王子 「もちろんだよ!」 |
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第5話 賃貸契約 | |||||||||||||||||||||||||||
![]() 王子「この星に住む、すべての生き物の、種とのだよ。」 コン「ヘぇ~ビックリだね!どんな、内容なの?」 王子「本当は秘密なんだが、コンさんは友達になったから、話してあげよう。」 王子は、この星と、種との、賃貸契約について、話しはじめた。 王子「契約は、3条あります。」 「第一条 この星の、すべてのもの、を、大切にして、愛する事。」 「第二条 この星を、汚さない、壊さない事。」 「第三条 この星に、住む、すべての、種と、共存共栄を、図り、仲良くする事」 「これで、すべてだ。」 コン「これだけなの?ずいぶん、あっさりだね。」 王子「人類とは、無契約状態だが、守らなくていいという理由にならない。」 コン「もし、人間が、この契約をこんごも無視し続けたら、どうなる? すこし沈黙が続き、王子は重い口を開いた。 |
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第6話 明け渡し請求 | |||||||||||||||||||||||||||
![]() コン 「明け渡し請求って何、それ?」 王子 「立ち退きだよ。」 コン 「この地球からかい?」 王子 「そうだよ。」 コン 「エエ~!それは、大変だ!大変だ!」 王子 「だから、苦労しているのだ。人類が早く、事の重大さに、気づいてくれると、いいのだが。」 コン 「どうすればいいの?」 王子 「それで、頭を痛めている。人類という種は、扱いにくい。自分勝手で、他の生き物の事は、ぜんぜん考えていない。こんなに、この星を、汚し、痛め、壊しているのに!」 コン 「私も人類だから、責任を感じるよ。何とかしなくちゃ。」 |
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第7話 間時がない~間時がない~ | |||||||||||||||||||||||||||
![]() 王子 「間時がない・・・」 コン 「間時、それ何?」 王子 「人類、地球では、時間と呼んでいる、宇宙では間時という。本当は、宇宙では、間時というものはないのだが、その説明は、またにしよう。」 コン 「王子の住む、宇宙ってすごいんだね。」 王子 「間時がない、間時がない~。困った、困った。そうだ、いい事を思いついた」 |
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第8話 選ばれし者 | |||||||||||||||||||||||||||
![]() 王子 「あなたが、いた!コンさんが、いた!」 コン 「・・・・?」 王子 「コンさん、あなたを、この危機を乗り切るための、切り札につかう。」 コン 「エエ~、何だい。」 王子 「コンさんを、人類の代表として、プロジェクトチームの隊長を命じます。」 コン 「この俺が、隊長だって。日本国の、神奈川県の、厚木市の、川漁師のこの俺が?」 王子 「そうだよ、あなたが選ばれたのだよ。コンさんが、ここに来たのは、選ばれし者だからだよ!」 王子 「宇宙には、偶然などはないのだよ。すべて、必然なんだ。」 コン 「この俺が、選ばれし者?本当かよ!」 王子 「本当だとも、宇宙には真実しかない。あなたが隊長だ!」 |
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第9話 三つの力 | |||||||||||||||||||||||||||
![]() 王子 「それは、心配ないよ。あなたには、特別の力を与える!」 コン 「それって、なあに?」 王子 「一つ、未来を予測する力。事前に、これから起こる現象を、見る事ができる力。但し、7日間前までとする。168時間 すなわち、地球の日で7日間が、人間であるあなたが、理解できる限度だから。」 もう一つ、光の、速度より、 ずっと早く飛ぶ力。瞬間に、物体移動する力。 さらに、もう一つ、心を読む力。この星の、すべての生き物の。」 コン 「なんだか怖いけれど、地球のため選ばれた者であれば、やりましょう。」 王子 「そういってくれると思っていた。うれしい。もう一つ、あなたに、贈り物をしよう。」 コン 「あれ、何ですか?」 王子が左手を上げると、緑色に輝く透きとおった指輪があらわれ、 コンさんの左手の薬指に、スウと入った。 王子 「これは、私だと思って、大事にして下さい。」 コン 「約束しましょう 」 王子 「あなたのすむ、厚木に朝が来ます。もどって、この星を破壊から守るために、戦いなさい。」 |
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第10話 コン あんパン | |||||||||||||||||||||||||||
![]() コンさんは川漁師だが、漁期以外は、小田急線本厚木駅から、徒歩5分位のところにある、店舗兼自宅のパン屋さんを、奥さんと、息子の大ちゃんと三 人で、やっている。 営業時間は、午前7時から9時までと、大変短い。これには訳がある。 朝5時から仕込みにはいり、7時に店をオープンさせるわけだが、一日に作るパンは、512個と決まっている。 あんパン専門店なのである。「コンあんパン」近在では、人気があり、朝7時前から長だの列ができ、9時までに毎日完売してしまうのである。一人5個までという制限があり、制限5個まで買う人が多く、毎日完売が続いている。 12個分は、ご近所のお年より夫婦と、おばあさん、車いすの人、そして、河原で野宿する人分として、毎日とっておくのである。 さて、今日も快晴、朝4時、一日が始まる。 |
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地球物語(ちきゅうものがたり)K9999星 第11話~第20話 | |||||||||||||||||||||||||||
第11話 隊長 | |||||||||||||||||||||||||||
![]() をあらためよう。隊長らしく、ふるまおう。しかし、どうすれば、いいんだ?」 何も、変化は、感じられない。今日も、きのうと何にも、かわっていない。まあ~いいか、取り合えず、店の仕込みを始めよう。」 コン 「大ちゃん起きろ~はじめるぞ!」 大ちゃん「眠いなぁ~」 コン 「さぁあんこの仕込みだ、パンの練りだ、いそがしい!」 コン「今日も、512個のあんパンを焼くぞ!」 あんパンが、手際よく焼きあがっていきます。そろそろ開店の時間です。 でも、今日はなんだか変です。いつも、店の前に並んでいるお客様がいません。なんだか表が静かです。物音がしません。 コン 「さぁ大ちゃん!店を、開けてよ!」 大ちゃん 「はいよ~」 大ちゃんが、ドアをあけました。いつも、そこに待っているお客様がいません。静かです。 大ちゃん 「アレ~・・・どうしたんだ?」 コン 「何だ?」 どこからとなく声がきこえます。上空からです。声の主は、こういっています。 「隊長、隊長!」 コンさんは、外にでました。 |
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第12話 鳥の大群 | |||||||||||||||||||||||||||
![]() 道行く人達も呆然として、空を見上げている。鳥の大群である。あらゆる種類の鳥がいる。 小さなものは木や、家の屋根に止まっており、大型の鳥は上空を旋回している。何千何万という大群である。空が真っ暗になる位のすごさだ。 しかし、鳴き声一つしない静かさだ。 ただ、一点を、見つめている。 そこだけが、ポカ~ンと空間になっている。鳥達が見つめる先に何があるのか? 人間には、何も、見えない。 「隊長、隊長」 「隊長、隊長」 「コン隊長」 コン 「私を呼ぶのは、誰だ?」 |
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第13話 シーワ登場 | |||||||||||||||||||||||||||
![]() それは、荘厳で気高く、そして神々しい姿をしている。 コンさん以外の人は、誰も見えない黄金のワシをすべての鳥達が見つめる。 ワシ「私は、鳥族の王 シーワです。星の王子様のご命令で、参上しました。 あなたを助けるのが、私の使命。あなたに、おともいたします。あと四種の勇者を、探してきます。」 コン「あと四名もいるのか!」 シ~ワ 「そうです。」 |
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第14話 鳥族の王 | |||||||||||||||||||||||||||
![]() シーワ 「かしこまりました。みなの者、ご苦労!」 鳥族の王シーワが鳥達を、ひとにらみすると、一斉に鳥達は飛びたち、音もなくいずこにかいなくなった。明るい朝の太陽がもどってきた。 シーワ 「これで宜しゅうございますか。」 コン 「驚いた!君は私と共に、立ち上がってくれるのか?」 シーワ「何なりとご命令ください。私は、あなたの、部下です。」 コン 「シーワ、君の役割は何か?」 シーワ 「私は、あなたの手先になって、どこへなり飛んでいきます。私は、人間界の空飛ぶ飛行機より早く飛べます。私は、ジャンボジェツト機より重いものを運べます。そして、正確に、より早く、四名の勇士を見つけます。」 コン 「シーワ 君に頼もう」 シーワ 「お任せ下さい。それでは、旅立ちいたします。」 |
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第15話 雁の長老 | |||||||||||||||||||||||||||
![]() さて、次の勇者はいづこに? すると、シーワに星の王子様の声が届いた。 「南の国、砂漠に、七色の光を放つおとめがいる。その光は遠く他の星まで届く、美しい光だ、七色の光を探すのだ。そこに、おとめがいる、彼女こそ勇者だ!」 王子の、声は、そこで、終わった。 シーワは、考えた。 「そうだ、渡り鳥の長老に会おう、彼に聞いてみよう。」 シーワは、鳥の信号波で、渡り鳥の雁の長老へ、すぐ、来るよう命令した。 すこしすると、雁の長老が若いオスの雁を伴って現れた。 「シーワ王 お召しにより参上いたしました。御用むきを、何でございますか?」 |
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第16話 鳥族の若者 タカリュウ | |||||||||||||||||||||||||||
![]() 長老 「七色の光を放つ不思議な場所を知っている、若者を召し連れました。この若者でございます。」 シーワ 「名を何と申す?」 若者 「タカリュウと申します。」 シーワ 「頼もしい名前じゃ!ところで、タカリュウ、その場所は、どこにある?遠い所か?」 タカリュウ 「中国大陸にございます。」 シーワ 「中国大陸も、広大ではてない。どこらへんじゃ?」 タカリュウ 「ゴビ砂漠でございます。」 シーワ 「ゴビ砂漠だと!」 |
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第17話 ゴビ砂漠 | |||||||||||||||||||||||||||
![]() モンゴルの言葉で、「砂漠」の意。 この地は、日本と深いつながりがある。ここから巻き上げられ気流に乗り、運ばれる砂を、「黄砂」と呼ぶ。 日本でも、春先には多くの「黄砂」が見られる。 夏は45度を越え、冬は最低気温がマイナス40度を割り込む、厳しい地である。 シーワ 「厳しい、地であるな。」 タカリュウ 「それはそれは、厳しい土地で、あります。」 シーワ 「そこに、おとめはいるのか」 タカリュウ 「七色の光は、その地からでています。」 シーワ 「では行くとするか!おまえの、翼では、時がかかる。ワシの、背中に乗れ。いざ、ゆかん!」 |
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第18話 七色の虹 | |||||||||||||||||||||||||||
![]() はるかの大地、ゴビ砂漠へ。 上空は気温が下がり、どんどんと冷気は増す。 シーワ 「タカリュウ、寒くないか?大丈夫か?」 タカリュウ 「シーワ王、大丈夫です。武者ぶるいです。」 シーワ 「私の翼は、人間のジャンボジェツト機より早く飛べる。もう少しで中国大陸が見えてくる、もう少しのガマンだ」 タカリュウ 「そろそろ夕暮れが迫っています。」 シーワ 「中国大陸に入った。ゴビ砂漠はこの方向でよいか?」 タカリュウ「ようございます。夜の中に入ってきました。そろそろ、見えてくるはずです。七色に輝く美しい虹が」 シーワ 「早く見たいものだ!」 シーワとタカリュウは、いよいよ、ゴビ砂漠が夜の闇の中にぼんやりと見える地点まで到達した。 シーワ 「まだかな虹は?」 タカリュウ 「ゴビ砂漠です!ここが、砂漠の、始まりです。あ、あれを」 シーワ 「・・・・・・なんと美しい、なんと美しい、虹かな。これが、七色の虹か!」 |
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第19話 ツバサ | |||||||||||||||||||||||||||
![]() 「シーワ様、シーワ様」 「ようこそ いらっしやいました。お待ちしていました。今、迎えの者をやります。そのまま、虹に向かって来てください。あなたがたのお仲間の者をやります。」 ほどなく、一羽の若い雁が飛んできた。それを見てタカリュウは驚いた。それは仲間の雁だった。 タカリュウ 「お前は、ツバサではないか?どうしてここにいる?」 ツバサ 「コビ砂漠で迷い、おとめ様に救われました。命を救われ、親切にされました。」 シーワ 「ツバサといったな、良かったなあ~」 ツバサ 「ありがとうございます。シーワ王様、お目にかかれて光栄でございます。私は今 おとめ様に仕えています。」 シーワ [ そうか、それは、じょうじょう。では、案内をしてもらおうか。」 |
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第20話 おとめ姫 | |||||||||||||||||||||||||||
![]() そこには、おおきな水晶に似た鉱石があり、そこから美しい光線が宇宙に向かって発射されていた。 そこに、白色の長いガウンを身に着けた女性が立っていた。 周りに3名の者が並んでいる。 おとめ姫 「ようこそ!シーワ王様。あなた様がおいでになる事は、解っていました。心に、感じていました。あなた様のご用向きも、解ります。」 シーワ 「おめにかかれて光栄でございます。日本 にいるコン隊長のメッセージを持ってまいりました。私たちと共に、立ち上がって下さい!」 |
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地球物語(ちきゅうものがたり)K9999星 第21話~第30話 | |||||||||||||||||||||||||||
第21話 この星を救う方法 | |||||||||||||||||||||||||||
おとめ姫の周りには三名の従者が仕替えていた。小さい弟のリュウト、妹のユア、そして守りサムライのユライの三名である。 ひときわ背の高いおとめ姫に、シーワとその一行が丁重に挨拶する。おとめ姫がねぎらいの言葉をかける。 おとめ 「遠いところを、よくおいでなさいました。この星を救う勇士を、いまかいまかと待っていました。鳥族の王シーワ様! 心から歓迎いたします。」 シーワ 「 おとめ姫、心からの歓迎に感謝いたします。コン隊長の、言葉を、お伝えいたします。」 シーワは、おとめ姫にコン隊長の言葉を伝える。K9999星の危機を誰よりもあんじ、その危機の深刻さを感じているおとめ姫は、コン隊長の勇者就任の要請を快諾した。 シーワ 「この星を、救う方法を教えてください。」 おとめ 「わたくしには解りませんが、ある方なら知っているはずです。」 シーワ 「その方は、どこにいますか?」 |
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第22話 タクラマカン砂漠 | |||||||||||||||||||||||||||
おとめ 「タクラマカン砂漠です。」 タカリュウ 「あの、死の砂漠の・・・」 おとめ 「そうです。 」 タクラマカン砂漠は現地語で、「死の世界」と呼ばれている。人間が入ったら 「二度と出られない」とおそれられている、広大な砂漠地帯である。 シーワ 「ぜひ、お会いしたい!この星を救う方法を、教えてほしい。」 おとめ 「私が、ごいっしょ しましょう。とても人類を憎んでいますため、私が話をしましょう。」 シーワ 「ぜひ、お願いいたします。」 そこへ、定期巡回に出ていた守りサムライの隊長、アヤケーンが帰ってきた。 ユライ 「アヤケーン隊長、お帰り!」 アヤケーン 「今、連絡うけ、帰りました。鳥族の王シーワ様、ようこそおいでくださいました。」 おとめ 「アヤケーン隊長、シーワ様をタクラマカンへお連れするように。」 アヤケーン 「あの方の所ですか!」 |
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第23話 瞬間移動能力 | |||||||||||||||||||||||||||
アヤケーン 「あの方は、人類が大嫌いです。本当に力を貸してくれるでしょうか?」 おとめ 「人類だけの危機ではなく、この星生きるものすべての危機です。必ず力を貸してくれます。信じています。 」 シーワ 「それでは、ご案内をお願いいたします。」 おとめ姫は幼い弟の王子リュート、妹の姫ユアに後の事を託し、守りサムライのユライに留守を頼み、出発する。 おとめ姫は、すでに滅亡したおとめ座のOS12328星の姫で、はるかはるか昔に移住してきたおとめ一族の末裔(まつえい)である。そのため、 おとめ姫は 「瞬間移動能力機能」を持っている。 おとめ 「私は一あし、おさきにいきます。」 シーワ 「姫は、瞬間移動能力を、お持ちですか。それは素晴らしい!さきに行って、その方を説得をお願いいたします。」 おとめ 「それでは、おさきに! 」 |
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第24話 おとめ姫 1000年博士 | |||||||||||||||||||||||||||
アヤケーン 「 それでは行くとしましょう!ユライ、留守をたのむ。」 ユライ 「かしこまりました。」 シーワの翼に、アヤケーン隊長、タカリュウ、ツバサが乗り、一路タクラマカンへと飛ぶ。飛べども、飛べども、砂漠、砂漠、果てしない黄色い大地が続く。 タクラマカン、そこはあらゆる、生き物を寄せ付けない死の砂漠である。 アヤケーン 「砂嵐が襲ってきます。前が見えなくなります。」 シーワ 「みんなつかまって離れるな!風が強くなってきた。何も見えない!方向は大丈夫か?」 すると、おとめ姫の美しい声が届いた。(私の心の声にしたがって飛んで下さい。もう少しです。) おとめ 「砂嵐がきれる場所が見えてくるはずです。そこは静かなオアシスです。緑が多い所です。そこに降りてください。」 アヤケーン 「見えてきました。あのオアシスです。」 タカリュウ 「あそこだけ、何と緑がたくさんある!」 ツバサ 「何てきれいなオアシスなんだ!」 シーワ 「さあ~降りるぞ!よくつかまれ。」 シーワの一行は、オアシスに降り立った。そこにおとめ姫ともう一名の、白い長いヒゲの白いマントをつけた年寄りが立っていた。 おとめ 「この方が、この星の運命を握っているかた、1000年博士です!」 タカリュウ 「1000年博士だと・・・」 |
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第25話 忍者 相模の疾風丸 | |||||||||||||||||||||||||||
そのころ、日本の小田急線本厚木近くのコンあんパン店では、いつもの日々をおくっていた。今日は訪問者が訪れていた。 「コンあんぱんの会」の後援会会長クーマさんである。 クーマさんは大ちゃんと、話しあっている。 クーマ 「コンあんパンを、もっと焼きませんか!もっと焼いて、全国区にしましょう!」 大ちゃん「おやじがなんと言うか?一日512個と決めているからね。人手もいないし。」 そこへ、コンさんの奥さんのタカさんが話にくわわった。 タカさん 「そうね~。もっと多くの人に、食べてもらいたいわね。そうだ!いい方法があるわ。」 大ちゃん 「どんな方法なの?」 タカさん 「忍者を呼ぶのよ。」 クーマ 「忍者だって?」 タカさん 「忍者、相模の疾風丸ですよ!」 クーマ 「相模の疾風丸ですか?」 |
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第26話 ハヤテマル参上 | |||||||||||||||||||||||||||
タカさんが「相模のハヤテマル」にケイタイで連絡をとる。「了解!」と元気な声が返ってきた。「相模の疾風丸」は、丹沢山系のある深い山へ修行に出ている。現代の忍者である。 まもなくすると、爆音をとどろかせ、「忍者」のオートバイにまたがってさっそうと登場した。 それを見ていた、近所の子供達があつまってきた。 「疾風丸がきた!」「あの、ハヤテマルがきた!」 子供達がとりかむ。 「カッコイ~イ」「この間やった、手裏剣をみせてよ!また相模川を渡ってみせてよ!」 大変な人気である。 この間の相模川の渡りは、小さい桶を両足にはいて、交互に足を動かし川を渡るものだが、残念ながら途中で桶がはずれ流されたもので、小さい騒ぎをおこした。 「およびにより、相模のハヤテマル、只今参上!」 タカさん 「よく来てくれたね。実は、コンあんパンを、増やそうと思うのだが、家には人手がない。そこでお前に手伝うてもらいたい。」 ハヤテマル 「母上、何とせっしゃに、手伝えとなあ」 |
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第27話 忍者あんパン | |||||||||||||||||||||||||||
大ちゃん「本当かよ!彼が手伝うの?何とかならないのか、その黒い忍者装束・・・。また、手裏剣を店で投げるじゃないか?」 タカさん 「大丈夫、そんな事もうしないでしょう。」 コンさん「・・・・・」 タカさん 「人手が足りないし、家のコンあんパンを食べたいという人が かなりいます。その人のためにも焼いてあげたいわ。」 コンさん「おまえ達が決めなさい」 大ちゃん 「ところで、おまえヨウちゃん、疾風丸、手伝うつもりがあるのか?」 ハヤテマル 「考えてもいいござる。ただし条件がござる。」 大ちゃん 「なんだい、それ・・・・」 ハヤテマル 「しからば申し上げる。忍者あんパンを作りたい。ご許可いただきたい。それが条件でござる。」 大ちゃん 「ええ?忍者あんパン!」 タカさん 「おもしろそうね~」 |
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第28話 忍者あんパン誕生 | |||||||||||||||||||||||||||
そこへ「コンあんパンの会」後援会会長のクーマさんがやって来た。 クーマさん 「久しぶりですね!疾風丸殿。忍者あんパンを作るんですか?」 疾風丸 「さようでござる。どこでも作っていないようなものでござるよ。」 大ちゃん 「どんな物ができるのかな~」 疾風丸 「独創的な忍者あんパンを考えるでござるよ。」 忍者あんパンの開発が始まった。どんな物ができるか、楽しみである。 コンあんパンの伝統的、人々に愛されている風味、食感をかえずにはたして、どんな忍者あんパンが誕生するか。 日本の小田急線 本厚木駅近くのコンあんパン店、いつもの日常の時が流れている。幸せと、不幸せのあい反する時がこの星にある。忍者あんパンの誕生に夢中になっているコンあんパン店。 一方、タクラマカン砂漠では、この星を破滅から救うために戦っている、シーワ達勇者がいる。 |
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第29話 コン隊長 | |||||||||||||||||||||||||||
コン隊長はコンあんパンを焼きながら、いつものような日常をもくもくと続けている。地球を滅亡から救う使命を、家族にも周りの誰にも知られないようにしなければならない。シーワからの連絡をいまか、いまかと待ち望んでいる。 自分に本当に地球を救う事が出来るのか、不安であった。しかし王子との「選ばし者」の使命は果たす堅い決心をしている。 家族とのたあいないやりとりがなにより貴重なものだと、日々感じている。 そのため「疾風丸」の突然の帰宅はうれしい事であった。 今日もいつものように、開店の時間である。 大ちゃん 「さあ~あけるぞ!今日も忙しくなりそうだ。」 コンさん 「おいしいコンあんパンが焼けたぞ!いらっしやいませ、いらっしいませ。」 いつもの日常が始まった。並んでまっていたたくさんのお客さんが、次々とコンあんパンを買っていく。そろそろ512個のコンあんパンがなくなりかけている。 その時である、シーワの心の声が届いた。 「コン隊長!コン隊長!」 |
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第30話 シーワからの連絡 | |||||||||||||||||||||||||||
コン隊長はシーワの心の声に心を落ち着かせ、静かに聞いた。 シーワ 「コン隊長、やっとたどり着きました!おとめ姫にお会いし、ご案内いただき、今タクラマカン砂漠にいます。ぜひお会いしていただきたい方がいます。すぐに、おいでいただきたい!」 コン 「解りました。しかし、王子様からいただいた、機能の使いかたがわかりません。どうしたらいいか?」 シーワ 「解りました、おとめ姫に迎えにいってもらいましょう。おとめ姫は「瞬間移動機能」をもっています。待っていて下さい。」 おとめ 「初めまして、おとめでございます。あなた様の事は王子様からお聞きしております。これからおむかいにあがります。瞬間移動機能の事はおまかせください。すぐに、出来るようになりますわ。」 コン 「それでは、よろしくおねがいします。」 いよいよ、コンさんの出番である。これから始まる未知の世界にどんなことが待ちうけるのか、ただ宇宙のみがしっている。 |
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地球物語(ちきゅうものがたり)K9999星 第31話~第40話 | |||||||||||||||||||||||||||
第31話 おとめ姫現る | |||||||||||||||||||||||||||
閉店の時間がせまったコンあんパン店に、変わったお客様が訪れた。 とても 美しい女性であった。白い服に白い大きな帽子をかぶった、スラリと背の高い女性である。 「コンあんパンをいただくわ。一つ食べてもいいですか。」 おもむろに、コンあんパンを口に運ぶと微笑みを浮かべ、納得した。 「とても、おいしいわ!皆に食べさせたいわ!5個持って、帰りたい。つつんでください。」 大ちゃん 「いいですよ。ただいま袋にいれます。まいど、5個で 450円、いただきます。食べた一個はサービスします。450円、お金をください。」 女性 「お金ってなあに?」 大ちゃん 「ええ~?それって、あり?」 それを裏で聞いていた、相模の疾風丸が顔をだした。不思議そうに女性を、観察する。 大ちゃん「あなたはだあれ?」 女性「おとめ姫ともうします。」 ハヤテマル 「姫ともうすか!どこのお城からお出でじゃ。」 おとめ姫 「ここから遠い場所からです。」 ハヤテマル 「ご家来はいづこや?」 おとめ姫 「一人できました。コンさまにお目にかかりに。」 ハヤテマル「何と、親父どのにか!」 |
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第32話 出発の時 | |||||||||||||||||||||||||||
コン隊長とおとめ姫は対面した。おとめ姫の話を聞き、すぐさま一緒に飛ぶ、瞬間移動する事となった。おとめ姫から移動する方法が伝授された。 コンあんパン店の普通の生活から、「地球を破滅から守る勇者の隊長」に変身する時がついにやって来た。タカさん、大ちゃん、ハヤテマルに、声をかける。 「ちょっと、でかけるよ。コンあんパンの研究に。」 ハヤテマル「忍者パンの事かい?せっしやに、おまかせあれ。」 コンさん 「それもあるが、 もっと他の事もあるんだ。」 大ちゃん「そう、気をつけてね。」 タカさん 「いってらっしやい。」 コンさん 「じゃあ行ってくるよ!」 外で待っていたおとめ姫と、いよいよ出発の時である。 おとめ姫とコンさんは、コンあんパン店前から、一瞬で消えた。遠い旅が開始された。 |
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第33話 1000年博士との対面 | |||||||||||||||||||||||||||
コン隊長は初の瞬間移動を体験した。それは記憶にも留まらない一瞬であった。そして、おとめ姫と、その地タクラマカンにあった。1000年博士がじっとコン隊長を見つめていた。その周りに、シーワ、タカリュウ、守りサムライの隊長アヤケーン、ツバサがいた。 おとめ姫がコン隊長を紹介する。見つめ合うふたりは心で話す。時が流れ、うなづき合うふたり。 コン 「どうか、お教えいただきたい。この星を救う方法を!」 博士 「人類が長年、この星をイジメタ結果、この様になってしまった。とくに、この100年がヒドイ。この星に来て、1000年が過ぎた。この星を愛している。何とか救いたい。おろかな人間どものためではない、この星に生きる多くの種のために、そして涙をのんで滅んでいった多くの種のために」 博士の話は続く。 「この星の人間どもの科学者は、宇宙の天体を観測して、地球から宇宙の果てまで、137億光年と規定した。そう信じている。しかし、真実は宇宙に果てなどない、無限だ。限りない。人間の科学など、あてにならない。文明も文化もだ。」 |
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第34話 1000年博士の話 | |||||||||||||||||||||||||||
この星K9999星を人類は地球と呼ぶ。人間は争ってエネルギーを大量に使ってきた。化石燃料は燃やして使うにはむかないものを、どんどん競ってつかい、もっともこの星の環境に悪影響をあたえている。 二酸化炭素を排出しつづけ、温室効果ガスがこの星全体をおおい、南極、北極、高山の氷河がとけ、流れだして海面が上がりはじめ気温が上昇しはじめている。人類はいまだ、なんら手をうっていない。この星が壊れはじめている。人間の責任である。 博士の話がつづく。 「わたしたちは一体である。見えるものも、見えないもの、存在するすべて、存在したすべて、これから存在するすべて、わたしたちは一体である。」 人間はそれを忘れている。 |
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第35話 キンクウセキ | |||||||||||||||||||||||||||
博士 「この星を救う方法は、キンクウセキを持って来て、あるものを作ることだ。」 シーワ 「キンクウセキ・・・?」 アヤケーン 「キンクウセキ・・?聞いたことがない」 ツバメ 「キンクウセキ?どこで売っているの?」 タカリュウ 「売っているはずないだろう」 コン隊長 「・・・・・」 博士の話がつづく。 この星の悲劇は人類がまだ、未成熟でこの星にすむ、あらゆる生命に思いをかけない事にある。人間は人間同士でも、種をわけ、族をわけ、国をつくりたがいにあらそっている。そしてエネルギーとして化石燃料を燃やし、この星の環境を悪化さている。人間社会を維持していく中で最も大事な源、エネルギーを他のものに変えることだ。そしてこの星をクりーンにするもの。 「それがキンクウセキだ!」 コン隊長 「そのキンクウセキは、どこにありますか?」 博士 「キンクウセキはムーン大帝国にある!」 |
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第36話 ムーン大帝国 | |||||||||||||||||||||||||||
シーワ 「ムーン大帝国はどこの、星にありますか?」 博士 「ムーン大帝国は となりの星、月にある。」 コン 「月にですか?」 この星、地球から月まで、38万4403キロメートル、月の自転周期は27、32日で地球の周りを回る公転周期と完全に同期している。そのため地球からは月の裏側は永久に見えない部分がある。そこに謎の帝国、ムーン大帝国はある。ムーン大帝国はムーン大帝が国を治めており、おおくは謎につつまれている。 博士 「キンクウセキは帝国のある場所の地底深くにあると聞くが、ムーン大帝以外その場所は知らない。」 コン 「ムーン大帝は地球の種である人類について、どうですか?」 博士 「わからない。しかし、よく思っていない事だけは、推測できる。彼らは、だんだん悪化していく地球環境を心配しているはずだ。とくに、ここ100年間の大きな変化を!月と地球は兄弟星なのだから。」 タカリュウ 「兄弟星・・・?」 ツバサ 「決まっているさ、地球が兄で、月が弟さ」 博士 「違う、月が兄で地球が弟だ。」 |
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第37話 謎の帝国 | |||||||||||||||||||||||||||
「ムーン大帝国 謎に満ちた帝国・・・」その帝国の場所を知る、唯一の勇者「おとめ姫」彼女は銀河系宇宙へ七色光線を発する、宇宙の水先案内聖人。おとめ姫であれば、必ずたどりつける、唯一の希望。 コン 「キンクウセキを持ちかえる、どうやって・・・・?ムーン大帝は協力してくれるのか・・?はたして私に会ってくれるだろうか・・?」 シーワ 「わしは地球の中は自由に飛びまわれるが、宇宙ではできない。」 おとめ 「ムーン大帝国を探すのには、かなりの幸運が必要みたいです。しかし行かねばなりません。このうつくしい星 地球のために、この星の生命達のために!」 コン 「いかなる困難があろうとも、やらねばならない!」 博士 「これで決まった、実行するのみ!」 |
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第38話 1000年博士 コン隊長 分身の術 | |||||||||||||||||||||||||||
月にあるというムーン大帝国、そこへいたる道のりは、はるかなるかなた。コン隊長、シーワ、おとめ姫の三勇者の前途はけわしい。 コン隊長はムーン大帝との代表交渉団長、おとめ姫はムーン大帝国を見つけ、その扉を開ける先導の役、そしてシーワは「キンクウセキ」を地球に運ぶ役である。 1000年博士との話しあいは続く。 1000年博士 「コン隊長には、日本のコンあんパン店にいつもいられるように、分身の術を教えましょう。本身は宇宙にあっても、地球の日本小田急線本厚木駅近く、コンあんパン店での日常ができるよう。しかし一つだけ、分身に弱点がある。 それは月の引力が強い、月明るい夜は外に出ない事。」 タカリュウ 「月あかりにあたるとどうなるのですか?・・・」 ツバサ 「まさか、死ぬんではないでしょうね?」 1000博士 「ワッハッハ 死ぬ事はない。が、消える。姿が突然消えるのじゃ。」 コン 「ぜひ教えてください!」 |
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第39話 シーワの苦悩 | |||||||||||||||||||||||||||
シーワ「私は宇宙にはいけない!瞬間移動は出来ないし、昔から、鳥族は月に魔力をかんじている。何か不気味さを、感じる。それを克服する、勇気が、今の私にはない・・・」 一同は静かに、シーワの話に耳をかたむける。それでも、ムーン大帝国に行かねば、この星の運命は破滅に向かうほかない。シーワ自身が一番解っている。鳥族のシーワにとって、月は特別の存在なのだ。シーワの苦悩はつづく。 次の満月の夜作戦は実行される。まだ考える時間はある。その時 1000年博士が立ち上がり、みんなが 思ってもない事を発言した。 「まだ足りないことがある」 コン「?・・・・」 おとめ 「?・・・・」 |
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第40話 シーワの装備 | |||||||||||||||||||||||||||
1000博士の意外な話に、コン隊長、おとめ姫、シーワ、アヤケーン、タカリュウ、ツバサは、博士の次の言葉を待った。 しかし博士は話題を突然、変えた。 博士 シーワ!心配するな。宇宙でもこの星中かで、飛びまわるのと同じように飛べるクリーンネットを装備させるよ。」 シーワ 「クリーンネット?どんなものですか?」 博士 「見えない物質元素で出来ている、超高速で飛べるものだよ。月までの距離38万4,400キロを、約3時間半で飛べるよ。」 シーワ 「すごいスピードですね。私に出来るだろうか?」 博士「シーワ、あなたなら出来る。あなたしかいない。」 コン 「そうだよ!シーワあなたしかいない!」 おとめ 「そうですよ一緒にやりましょう!この美しい地球を救うために!」 |
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